歯の矯正治療をした人は、すべてではありませんがほとんどの人が体調不良を訴えているものです。その不調も人によってそれぞれ訴える場所が違います。一番多いのは首筋から肩にかけての凝りです。
歯の矯正治療をした人は首の骨は後方湾曲となり、その状態で首の骨、背骨は前方にズレ、つまり骨が前に滑っているものです。ただし前方にズレをおこした骨を補正するために首の一番上の頚椎1番、背骨の一番上、背骨の一番下、時には骨盤の真ん中の仙骨の一番上(S1)だけが後方にズレをおこしているものです。それ以外は前方にズレをおこしています。首の骨が後方湾曲をおこしていますと、下顎が右いっぱい、左いっぱいに動かしても顎関節のメス側の側頭骨が全く動かないものです。確認するには側頭骨の乳様突起(耳穴から斜め下後ろ3cmに下に向かって小豆の突起)が、動かないだけでなく下顎を動かした反対側の足も全く動かないものです。これを神経伝達系統の不良とも言われ、病気の中の病気とも言われ、医者に行っても分からない、治せない、というパターンになります。
それだけでなく、全身の血流が悪く、骨と骨との継ぎ目の隙間の関節が狭く、頭蓋骨を始め体全体の関節がぎゅっと圧迫された状態のために、人によっては口があまり開かないとか、顎関節が痛いと訴える人もいます。
それではどのようにして治すのか。
頭蓋硬膜の緊張を取り除いたあと、その時首の骨は一時的に前方湾曲(生理的湾曲)になっています。
そこで次に骨盤始め体全体の左右の捻れ、左右上下のズレ等を取り除き、さらに頭蓋骨の外側の各骨(前頭骨、後頭骨、頬骨、側頭骨、蝶形骨)のズレを取り除きます。さらに口の中の歯を支えている上顎骨の捻れを取り除き、そして最後に上の歯のドテの外側と頬の筋肉の間に左右同時に指を入れます。
さらに指の上の骨(頬骨)の左右が同じ高さになるようにもう一度頭蓋骨及び、体全体のバランスの調整をします。ここまで調整すると、背骨の上から下までの間に背骨が前方に滑っている(前方にズレを起こしている)部位が必ずあるものです。背骨が前方に滑っていますと、その部位にマイナスの磁石で反応が起きます。歯も噛んだ時にその部位の歯にマイナスの磁石の反応をおこし、その部位の歯が低いということです。念のため体中を磁石でチェックすることです。足の甲、足の裏に反応をおこすと、足の指寄りは奥歯、足のかかと寄りは前歯、また足の親指の反応は奥歯、足の小指の反応は前歯、首の下の骨と肩との間の首よりの反応は前歯、肩寄りは奥歯、また大脳の前寄りは前歯、大脳の後ろの反応は奥歯です。これらの磁石のマイナスの反応すべてが歯の低いところと一致するものです。そこでその部位の歯を高くすることです。念のため低い部位はガーゼを噛ませてテストします。例えば背骨の上が前に滑っているならば前歯が低いということです。
子どもは矯正治療をしなくても、体のゆがみを治すことで
自然と歯並びが整うケースも多い
また、6歳頃から月1回位、頭蓋仙骨療法の骨盤調整だけをやっておけば歯並びはそれほど悪くはならないものです。
頭蓋骨の成長の時期及び大人の歯(親知らずは別)が出てくる期間だけ、骨盤を正しく調整すれば頭蓋骨の各骨も動き、また頭蓋骨の各骨も正常に成長し、歯の生えるスペースも出来ます。
頭蓋骨の成長時期に骨盤を動かせば、頭蓋骨だけでなく首の骨、背骨のズレ、捻れが無くなるために全身の血流がよくなり、インフルエンザ、アレルギー、その他色々な病気に対して免疫力も強くなり、病気知らずになります。
昨今のお子さん方に、アレルギーが多いのは食事や生活環境の変化から、身体のゆがみ、骨盤のゆがみを発症しやすい傾向にあることが原因であるとも考えております。
頭蓋仙骨療法の骨盤調整
頭蓋骨の成長期に頭蓋骨を手で動かすことは厳禁で、頭蓋骨を壊すことになります。そのために頭蓋骨の成長期に骨盤を動かせば、自然と頭蓋骨が動くものです。
1~2歳の幼児で体の調子がおかしいと思った時には、足首を持って30秒位逆さまにすれば骨盤、背骨、頭蓋骨等が皆動き、体の調子も正常に戻るものです。逆さづり健康法とでも申しましょうか、整形外科にて、専用の装置で行う身体の伸長療法と原理は似ています。
歯の矯正治療をやってしまった後で、歯の矯正治療をやめておけばよかったと後悔する人もいます。乳幼児、成長期前の歯列矯正は当医院では全く推奨しておりません。親知らずの抜歯については効果があると考えております。