残念なことに、日本の医療界をはじめ、世界中のどの医療機関でも顎関節症を本当に治せる人はほとんどいないものです。
最近は一生治らない、治すものではなく付き合っていくものだという医者もいますが、当院ではそのように考えてはいません。完璧とはいかなくとも治せる可能性はあると考えております。
治療方法の基本理論はどの患者さんでも同じですが(普遍的な部分)、そこから先はケースバイケースとなり、皆それぞれに違う為に応用編の治療となります。基本まで到達していないところも多くあるものですが、応用編は経験と的確にアプローチするための明確な根拠が必要となります(施術者の感覚や勘、患者さんの感覚に頼るのではなく)
当院で日々治療を行っている私自身でも、完璧とはまったくもって思っておりませんが、それでも40年以上の経験の上に成り立った治療法です。数年の研修だけでというのは難しいものです。
歯の噛み合わせ、全身の骨というものは、歯を削ったり抜いたりしたその瞬間に、頭の先から足先まで一瞬にして捻れ・ずれを起こします。
この様に、顎関節症の治療をはじめとして全身の歪みを取り除く治療は、口腔内だけ、歯だけ顎だけの問題ではありません。
例えば、健康な人に不必要なコンタクトレンズを片側だけ入れますと、首の骨はストレートネックになり身体の片側だけ血流が悪くなるものです。
左右共にコンタクトレンズを入れますと、首の骨は病的な後方湾曲となります。この場合、全身の血流が悪くなっています。
コンタクトレンズを外しますと、元の健康体に戻れる人もいれば戻れない人もいます。それはその人自身の血流が問題です。
弾力のあるゴムひもは元に戻るものですが、弾力の無いゴムは伸びきった状態で元に戻らないか、或いは切れてしまうでしょう。
今まで述べましたのは、身体の内面についてですが、
外的要因である新型コロナウイルスにしましても同様の事が言えます。
テストとしまして、コロナのワクチン接種をする直前に左右の乳様突起に触れてみてください。多くの場合、右の乳様突起が左と比べて上にあがっているものです。
左右差があるかは個人差があります。そして、ワクチン接種をした直後に左右の乳様突起に再び触れてみてください。ワクチンを打つ直前よりも乳様突起が上にあがっているのが判ります。これは身体が外的ショックを受けている状態ですが、この状態から元に戻れるかどうかは抵抗力、回復力が問題となります。
(このコラムを執筆している時点で、日本では75%程度の人が新型コロナワクチンの2回目の接種を完了しているとのことですので、このテストができる方は少なくなっています)
コロナの後遺症についてもこれらと同じことが言えます。
自然治癒力、抵抗力、回復力が正常に機能している人は、感染しても症状が出ないか、短期間で回復し、後遺症も残らないことが多いものです。